2012年12月31日月曜日

成長神話が崩壊して久しいのに

ユビキタス時代と呼ばれている今の時代で必要なことを考えてビジネスモデルのヒントにしたい。

1.最優先事項の変化

これからは「お一人様」が多くなりますね。
うまく、夫婦になって共に白髪まで仲良く生きて、コロリとあの世にいける理想的な物語が誰にでも展開されると考えないほうがいい。

その昔自給自足に近い時代の人間の「知恵」と、現在の機械文明の時代、職業分化が進み、なんでも「他人にしてもらう」時代の人間の「知恵」には、明らかに違いがある。

私が子供の頃の時代を振り返ると、なにからなにまで「めんどう」な生活であったです。
風呂に入るのだってめんどうでしたよ。
(1)風呂の残り湯で風呂を掃除する
(2)屋敷の中を流れている川から水を汲んで風呂に入れる
(3)薪を作る これはまとめて薪割り作業をしておいて在庫から使うこともある
(4)古新聞紙、杉の枯葉を準備し風呂のかまどに火を付ける。
(5)時々、湯加減と風呂のかまどを点検し薪を入れたり、火を止めたりする。
(6)家族にお風呂が沸いたことを知らせる。
これら、めんどうなことが生活そのものでしたね。


今は、上記の(2)〜(5)は、ほとんど機械に置き換えられ、「自動」です。
昔のやり方をやれと言われても、できない人が殆どでしょう。それが、いいか悪いかは別ですけど、、。

では、なぜ「めんどう」なことが嫌われたのでしょうか。
私見ですが、当時の優先事項(戦略・方向づけ)としては「現金収入」がトップではなかったかと思います。
現金収入を増やすことになること以外は「無駄」であり、「くだらない」という気持ちを持つ人が大方だったとおもいます。

翻って、現在の日本を見ますと、年収300万円どころか、年収200万円未満の人がドンドン増えているようです。
技術、特に自動車などの輸送関係とインターネットなどの情報通信関係の技術が急速に進展した結果、地球は狭くなりました。そのため人類のグローバル化(地球規模)は進む一方です。そのため、2009年あたりの最新データでは日本人の年収平均は380万円、世界統計可能な比較的先進国72カ国の年収平均は140万円ということもインターネット検索ですぐわかります。

日本の経済的地位の低下を嘆く人がたくさんいらっしゃいますが、個人的にはそんなに気になりません。
それよりも、かつて経済急成長な(別な角度から言えば「未熟な」)時代に定着した最優先事項が今でも最優先事項として大手をふってまかり通ることのほうが奇異に感じます。
成長神話はいまだ健在というところでしょうか。

時代は変わったのです。

日本では「失われた30年」に入ろうとしているなどと言う方も大勢いらっしゃいますが、私は「何が失われたのですか」と問いたい。

敢えて言うなら、失われたのはかつての「最優先事項」であり、かつての「水を汲んで薪をくべて風呂を沸かすことに、なんのムダも感じなかった気持ち」でしょう。

食べ物や、エネルギー資源もそうです。かつての貧しさに対峙する力が失われ、かつての「贅沢」とか「もったいない」の感覚が失われのでしょう。

年収200万円未満を嘆き、増やすことだけを最優先事項としていいのか大いに疑問です。

2.ニーズをどう理解するか

ビジネスの量的側面(たとえば売上高)だけを重視する考え方ではなく、本来ビジネスのあり方は「ニーズをどう理解するか」から出発すべきだと思います。